ヴィンテージから11年目を迎えた、砂漠で造られるイスラエルワイン

ティシュビ・エステート メルロー
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早飲みされてしまうことの多いイスラエルワイン

イスラエルワインは大体早飲みされてしまいますからね。
10年目、11年目を迎えるワインに出会うことは、日本ではそうそうある事ではありません。
そんな中で今回は、半年程前に在庫切れを迎えた時に最後の1本を残しておいた、ティシュビ・エステート|メルロー 2012 の話です。

ティシュビ・エウテート|メルロー2012

ティシュビ・エステート|メルロー2012

このメルローは、イスラエル南部に広がり国土の半分を占める、ネゲヴ砂漠にある葡萄園で収穫されたメルロー種100%の赤ワインです。
葡萄園のあるスデ・ボーケル地区はネゲヴ高地に位置し、標高は700m~1,000m、砂地のローム層の土壌が広がっています。日中は暑く、夕方から夜には冷たい空気に包まれる寒暖差の激しい気候の中でのブドウ造りが続けられています。
イスラエルの持つ点滴灌漑技術が、こんな砂漠の中でのブドウ造りを可能にしているんですね。
(砂漠でのワイン造りについては後述。)

そしてこのワインは最初の圧搾で得られるジュースのみを使用して造られ、オーク樽で12ヶ月間熟成の後にノンフィルターで瓶詰めされています。

ティシュビ・エステート|メルロー2012

食文化にこだわりを持つティシュビが造る自然派ワイン

元々ティシュビは農薬や殺菌剤、除草剤は使用せず、また肥料を使う事もなく、土壌の持つ力を信じてブドウを育てる自然志向のやり方を創業以来続けているワイナリーです。
昨今の言い方でいえば自然派ワインであり、またコーシャワインであり、そしてヴィーガンワインでもあります。

そしてこのメルローはエステート・シリーズのノンフィルターワインですからね。ヴィンテージから11年目を迎え、酸味、果実味、タンニンなど全てが心地良く溶け合った落ち着いた雰囲気が漂い、繊細な余韻の中に砂漠の砂地を思わせるテロワールの香りも重なって、自然派のワイン造りが息づく澄んだ味わいが広がります。

時間の経過した熟成感を匂わせながら、しっとりと深みのある深い奥行きを感じさせる味わいが実に心地良く、バランスの良いお洒落な味わいが何とも魅惑的な赤ワインなのです。

ネゲヴ砂漠でのワイン造り

ネゲヴ砂漠はヘブライ語で「ネゲヴ」(乾いた大地)と呼ばれる、イスラエル国土のほぼ南半分を占める砂漠です。そもそも葡萄にとっての最良の気候環境として、降水量が少なく、日照時間が長くて、一日の寒暖差が大きい事、という3つの条件が良く言われるところです。

この条件だけを取り上げますと、砂漠は葡萄造りに向いているように見えて来ますよね。
そしてイスラエルは技術立国の国であり、農業立国の国でもありますからね。
これらが融合して点滴灌漑といわれる優れた農業技術が発展・導入されるようになり、砂漠もワイン造りに最適な環境となり得ることが実証されているのです。

どんどん品質が良くなるイスラエルワイン

現在、通販サイトでは在庫切れとなっているメルローですが、こんな素晴らしい味わいが楽しめるのですからね。ぜひまた皆様にお届け出来るよう考えているところです。
ただティシュビ・エステートのメルローは、日本に入荷しますのは概ねヴィンテージから4年目、5年目になる場合が多いですからね。それからさらに5年、6年と待たなくてはいけない訳ですから、10年を越える味わいを楽しむのはそう簡単ではありません。

一方、イスラエルワインはどんどん品質が良くなっていることを実感しています。早のみされてしまう環境を乗越えて、10年を超える時を経た熟成の味わいを楽しめるワインが次々と現われる事が期待されるのです。

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