カーメル・シングルヴィンヤード|マルベック・アドモン

カーメル・シングルヴィンヤードのマルベック

マルベックという葡萄品種が、1880年代にエドモンド・ドゥ・ロスチャイルド男爵によってイスラエルに持ち込まれた事は、ティシュビのマルベックのところで触れました。
カーメル・ワイナリーはロスチャイルド男爵が拓いたワイナリーですから、カーメルのマルベックと言いますと当時持ち込まれた苗がそのまま受け継がれた歴史香る葡萄品種になる訳です。

歴史香るカーメル・シングルヴィンヤードのマルベック

カーメル・シングルヴィンヤードのマルベックは、上ガリラヤ地方の北東部にあるアドモン葡萄園(単一畑)で収穫されたマルベック100%のワインです。
アドモン葡萄園は標高770m程に位置し、気候は年間を通してとても冷涼であり、地中海沿岸に分布する赤土のテラロッサ土壌の広がる、石を多く含んで水はけの良い地域にあります。ここで夜に収穫されたブドウは直ちに隣接するカヨウミ・ワイナリーに持ち込まれ、ロット毎に低温浸漬・発酵に続いてフレンチオーク樽で15ヶ月間熟成され、ブレンド処理の後、簡易な濾過を経て瓶詰めされています。

カーメルのマルベック

バランス良くしっとりとエレガントなマルベック

色合いは黒っぽさも漂う濃い紫色。チェリーやストロベリーの豊かな果実香が漂い、チョコレートのアロマや微かにタバコ香も重なります。
抜栓直後から、控え目な酸味に穏やかなタンニンの渋みが一体となって溶け合い、厚みのあるふくよかな果実味にスパイシーなニュアンスがそっと重なって、バランスの良いしっとりとエレガントな味わいが広がります。

少し時間が経つとまろやかな果実味の中にも心地よい酸味と優しく柔らかなタンニンが顔を出し、しっかりとした厚みのある余韻となって一層の魅力を放ち、抑揚のある魅惑的な熟成感が全体を包み込むようにしっとりと落ち着いた雰囲気を漂わせ始めます。
フルボディの凝縮感漂う味わいの中にも優しさをにじませて、そして時折顔を出す控え目でスパイシーなアクセントが複雑味を添え、ふくよかな余韻へと繋がる細やかな味わいが心地よさを誘うのです。

しっとりとエレガントなマルベック

肉料理とならこの赤ワイン

もちろんいろいろなケースがありますが、赤身の肉と一緒に開けるなら真っ先におすすめしたいのがこのカーメル・シングルヴィンヤードのマルベックでしょう。
先日、肉料理と一緒に楽しむ機会がありまして、改めて赤身の肉にはこの赤ワイン...と納得の1本なのです。

タンニンの渋みとはちょっと距離を置いた穏やかで柔らかな味わいが赤身肉のグリルやステーキ、赤ワインの煮込みにピッタリです。濃厚な飲み口にほのかな甘みも香る味わいはすき焼きにもおすすめです。
時間の経過と共に一層まろやかな味わいが広がり、どんな料理も包み込んでしまう包容力と、実に穏やかで深みのある味わいが何とも魅力的な赤ワインです。

※カーメルの他のワインは『こちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次