少年ダビデと巨人戦士ゴリアテが戦った地エラ・ヴァレー(エラの谷)
エラ・ヴァレー(エラの谷)は、旧約聖書『サムエル記』の逸話に出てくる少年ダビデが巨人戦士ゴリアテと戦った舞台として世界中に知られています。
この少年ダビデとは、後にイスラエルの2代目の王となるあのダビデ王のことです。
ミケランジェロの代表作の1つである「ダビデ像」で有名ですね。
そしてここで登場するエラ・ヴァレー(エラの谷)はジュディアンヒルズの一角を占め、エルサレムから西へ40km程の所に位置しています。この一帯は元々ぶどうの栽培に適した地域として知られていて、紀元前3,000年~4,000年の古代からブドウ栽培と上質なワイン醸造が行われており、ワイン造りではとても歴史ある地域なのです。
当時から造られていたワインの評価は高く、盛んにローマへ送られていたと言われています。
イスラエルのワイン造りの歴史から見た特筆的な出来事
イスラム教民族による支配が600年代から始まり、このイスラムによる支配が第一次世界大戦の終わる近年まで1,200年間も続いた事でしょう。
イスラム教では飲酒は禁止されていますから、限られたユダヤ教の宗教上の理由を除いて、ワイン作りも禁止されてしまったわけです。
この間にブドウの木々は抜き取られてイスラエル特有の品種は絶え(最近になって、すこしづつ復活していますが)、またワイナリーは破壊されて、このエラの谷地域でのブドウ栽培の歴史もすっかり忘れ去られてしまうのです。
ようやく1990年代初期になって、この地域でのブドウ栽培やワイン生産の歴史に着目し、古代からの上質なワイン醸造の伝統の復活に努力する人々が出始めます...
伝統と現代の技術を融合したワイン造りを進めるエラ・ヴァレー・ワイナリー
1998年に設立されたエラ・ヴァレー・ワイナリーは、この歴史的な伝統の復活に当初より携わってきたワイナリーであり、この地で何千年も続いた古代のワイン作りの文化を再興し、さらにこれに現代のワイン醸造の知識と技術を融合してプレミアムワインの生産に取り組んでいるワイナリーです。
エラ・ヴァレー(エラの谷)に拠点を構え、3つのブドウ畑を所有するエステート・ワイナリーであり、イスラエルで最も先端的かつ高い品質のワイン生産者の一つとして知られる実力派のワイナリーなのです。
エヴァーレッド・シリーズのエチケットに描かれた1本の木
エラの谷と呼ばれる一帯の一番小高いところに、この地域原産である大きなテレビンの木(高さ:17m、幹周り5.2m、枝の広がりが直径23m)が立っていまして、実はこの木(ヘブライ語でterebinはElah)にちなんでこの一帯はエラの谷と名付けられました。
そしてエラ・ヴァレー・ワイナリーのエヴァーレッド・シリーズにはエチケットに1本の木が描かれていまして、この木は上述のエラの谷を象徴するテレビンの木を模したものなのです。
【エラ・ヴァレー・エヴァーレッド|カベルネ・ソーヴィニヨン 2021】
この辛口の赤ワインは、いずれも夜間に手摘みで収穫された、カベルネ・ソーヴィニヨン(85%)にメルロー(10%)とプチ・ヴェルド(5%)が加えられています。フリーラン・ジュースが使われ、フレンチオーク樽で熟成されていて、ミディアムボディのバランスの良いエレガントな味わいに仕上がっています。
軽やかな飲み口と深みある余韻が溶け合うカベルネ
軽やかな飲み口に爽やかさも感じさせる澄んだ酸味がしっかりとした味わいを醸し出し、これに優しいタンニンがそっと重なります。そして後からチェリーやプラムのふくよかな果実味がゆったりと湧き上がり、幾分スモーキーなニュアンスやスパイシーなアクセントも顔をだして複雑味を添えています。
時間の経過と共に奥行きと厚みのある味わいが顔を出して存在感を匂わせながら、全体のバランスの良いふくよかで深みのある味わいが広がるのです。そして味わいと共にエチケットに描かれた1本の木から、ダビデ王の時代から続くエラの谷の歴史と伝統が香るような気もするのです。
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