カーメルワイナリーと地域のブドウ生産者の合弁事業として2,000年に設立されたヤティールワイナリーの話しです。カーメルワイナリーの子会社になりますが、独自のぶどう園や組織を持ち、カーメルとは異なるブランドとして独立した運営が行われています。
古代ユダ王国より続く歴史あるヤティールの森がある地域
ワイナリーはネゲヴ砂漠の北西の端に位置し、植林で作られたイスラエル最大の森である“ヤティールの森”の中央にあります。
ここは古代パレスチナ南部の地中海と死海の間に存在したユダ王国の地で、3,000年の歴史ある考古学的な地域であり、このことが、ヤティールワイナリーのロゴとしてユダ王国の紋章であるライオンが選ばれている理由でもあります。
ワイナリーの施設がある地域は古代の歴史に富んでいて、ユダ王国の初期であるソロモン王の息子や孫達の時代の人工遺跡が多数発掘されています。また古代のワイン圧搾施設も数多く見つかっていて、この地が古代よりワイン造りが盛んであったことを示しているのです。
イスラエル最高のワイナリーの1つとの評価
そんな歴史ある地を拠点とするヤティールワイナリーですが、数多くあるイスラエルのワイナリーの中でも、これほど短期間で広く認知される事になったワイナリーは他にないでしょう。
設立から10年も経たない内に、ワイナリーとしての最初のヴィンテージを出荷した時から、イスラエル最高のワイナリーの1つと市場の評論家やワインメーカー達から称される事になるのです。
“ヤティールの森”の名前が付いた赤ワイン:ヤティールフォレスト 2012
ワイナリーのフラグシップワインであるヤティールフォーレストは、毎年ブレンドのセパージュが少しずつ変化するボルドースタイルのワインであり、2012年はカベルネ・ソーヴィニョン 62%、プティ・ヴェルド 38% のブレンドです。それぞれ14ヶ月間フレンチオーク樽で熟成された後にブレンドされ、さらに18ヶ月間の瓶内熟成を経て出荷されています。
色は魅惑的な深い赤紫色。チェリーやブラックベリーなどの果実の香りが漂い、これにチョコレート、オーク樽の焦げた香りや深い森の樹木の香りが重なり、豊かな香りとなって湧き立ちます。
口当たりは滑らかで軽やかです。適度の酸味と果実のほのかな甘味、そして柔らかくふくよかなタンニンの渋みがバランス良く交じり合い、絶妙の味わいを醸し出しています。
透明感に満ち、ふくよかな余韻にタンニンの刺激が柔らかく重なり、後から心地良い果実味がいつまでも続きます。
ミディアムボディ~フルボディの骨格で、艶やかで、とても品の良い味わいです。
抜栓直後から広がる、この深みのある味わいはさすがに素晴らしいですね。
世界レベルの高品質ワインと認知される切っ掛けになった1つ
イスラエルワインが一躍注目を浴びるきっかけとなりましたのは2007年のこと。
かのワイン評論家 ロバート・パーカー氏が9ワイナリーのワインに90ポイント以上のスコアを付けたことから、イスラエルワインは世界レベルのワインとして世に躍り出る事になるのですが、この時の1つがヤティールフォーレストなのです。