ワインを愛しすぎた研究家が拓いたワイナリー|ギト・ワイナリー( GHITO Winery )

ギト・ワイナリー

素敵なエチケットのイスラエルワインは多くあります。その中でも自分のアーティスト魂をくすぐるデザインがギト・ワイナリーです。
テルアビブからホッドハシャロンへ車で北東部に走る事20分。辺りは完全な住宅地で、初めての人がこのワイナリーを見つけるのは難しいでしょう。なぜならここは自宅兼ワイナリーですから。
テイスティングに出かけたのは、気持ちの良い3月中旬の金曜日の事。
Kosherワイナリーなので金曜日の営業時間は午後2時までです。

ハイテク企業に勤めていたマルキエル・ハダリさんは、ワイン好きの趣味が高じて、気が付けばソレク・ワイナリーのニール・ショハム氏のワイン醸造コースを卒業してしまっていました。そして念願叶い、2008年にギト・ワイナリーをオープン。
独学でワインを研究するワインオタクとして知られるマルキエルさんです。

ワイン生産に関する専門文献を大量に読み、常にワインのレベルを向上させる方法を実践する人でした。このワイナリーを際立たせている事の 1 つは一貫性でしょう。毎年異なるブレンドワインを生産していますが、味は変わることなく毎年同じレベルの同じ味を再現しているのです。

マルキエルさんは優しくて、感度の高い気品のあるワインメーカーです。
奥さんのディナさんと息子さんも一緒に仕事をしています。自宅地下のシェルターを改造してブレンドの研究をしていて、ワインセラーもここにあります。
ファミリーワイナリーながら、年間約 15,000 本のボトルを生産しているのも凄いですね。

ギト・ワイナリーのロゴ

今日は白と赤の2種をテイスティング。
 “Adom 2018”
 “Ghito Viognier 2019”

Ghito Adom はグルナッシュ、シラー、プティ・シラー、そしてプティ・ヴェルドを魅惑たっぷりのブレンドに仕立て上げた、ワインメーカーのユニークさを象徴するワインの一つです。
新緑やバレルの芳醇さ、ブルーベリーやシナモンの様な香りで溢れていて、口当たりは一瞬力強さを感じたかと思えば上質なベルベットの喉ごしが重なり、しっとりした気品ある味わいを楽しめます。

残念ながら今年の4月19日に、もっとこの人の作るワインを飲みたかったと思う人達を残して、マルキエル・ハダリさんは急逝されました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

イスラエル・テルアビブにて
写真&記事:ツチダエリヤ
執筆日:2024年6月12日
https://www.facebook.com/ghitoWinery

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